トラックにパワーゲートは必要？その便利さと安全性を徹底解説！
「パワーゲート」ってよく聞くけど、使い方もわからないし、一体どんなものなんだろう？実は……便利なだけじゃないんだよね？
ふふふ、それを知らんとは、まだまだじゃのう。パワーゲートを使いこなすには、ちょっとしたコツがあるんじゃよ。
あっ、師匠！実は僕、パワーゲートについて全然詳しくなくて……。
ふむ、それならいい機会じゃ。パワーゲートを上手に使えば、トラックへの荷物の積み降ろしがぐっと楽になって、身体への負担も軽減できるんじゃ。まさに“トラック界の隠れた英雄”じゃ！
！？僕もパワーゲートを使いこなして、一人前の“英雄”になりたいです！
よし、それならば、パワーゲートをわかりやすく教えてやるわい！
目次
パワーゲートとは？正式名称は「テールゲートリフター」
パワーゲートとはトラックの荷台後部に取り付け、荷物の積み降ろしを効率化し、作業負担を軽減してくれる便利な装置のことです。
スイッチやリモコンを使ってプラットホーム(荷台)を上下させることで、簡単に荷物の移動ができます。
パワーゲートはどんなトラックにも取り付けられるの？
パワーゲートはたくさんの荷物を早く積み込み・運搬するために、平ボディやアルミバン、冷凍車、ウイングなど、さまざまな形状のトラックに取り付けられているんじゃ。
荷物がたくさんある場合や、人の力で持ち上げるのが難しい重たい荷物も、プラットホームに荷物を載せることで積み降ろし作業が楽に行えます。
現場では「テールゲートリフター」って呼んでるのを聞いたことがあるけど、パワーゲートとは何が違うんだろ？
じつは「パワーゲート」は大手特装車メーカー “ 極東開発工業 ”の商標登録名なんです。
本来の一般的な名称は「テールゲートリフター」ですが、今ではパワーゲートの方が広く知られ、よく使われるようになっています。
パワーゲートの種類は4種類
荷物の積み降ろし作業を簡単・効率的にするパワーゲートは、動き方によって「垂直式」と「アーム式(スイング式)」分けられます。
さらにアーム式(スイング式)は、格納方法で「跳ね上げ式(後部格納式)」と「床下格納式」に分かれます。
師匠！「格納」って何ですか？なんて読むんですかね？
「格納」は「かくのう」と読むんじゃ。「しまう」「収納する」といった意味じゃよ。
パワーゲートをしまう場所が後方なのか床下なのかによって、積み降ろしに適している荷物も変わってきます。
垂直式パワーゲート
出典：極東開発工業
「垂直式パワーゲート」は、地面に対して垂直に設置されたプラットホーム(荷台)を上下に動かして荷物の積み降ろしができます。
垂直に上下して、揺れが少なく荷物が安定することが特徴なんじゃ。
垂直式パワーゲートは、どんなモノを積み下ろしするのに向いているの？
垂直式は、重心が取りにくい高さのある荷物の運搬に最適です。ガスボンベのような、慎重に取り扱う必要のある危険物の積み降ろしや、家具などの引っ越しの際にも使用されます。
アーム式パワーゲート
出典：極東開発工業
「アーム式パワーゲート」は、プラットホーム(荷台)の横や下部に腕(アーム)のような支えが固定されており、アームを軸にしてプラットホーム(荷台)を上げ下げする動きをします。
ほんとだ！大きな腕に支えられてるみたい！
あれ？このパワーゲート、斜めの角度で固定することもできるんですか？
おお、よく気が付いたのう！斜めの角度で固定すると、自転車やバイクなどの積み降ろしも簡単にできるようになるんじゃ。
すべり台みたいになるのかと思いました！
すべり台……というより「スロープ」のようになるんじゃよ。
プラットホーム(荷台)に角度を付けてスロープ状にすることで、農業機械などの積み降ろしがしやすくなります。
トラックの荷台に「スロープ板」を使って、手作業で荷物を動かすよりも作業の負担が大幅に軽減されます。
その中でも、アーム式パワーゲートには「跳ね上げ式」と「床下格納式」の2つのタイプがあり、それぞれの特徴に応じた使い方ができます。
跳ね上げ式パワーゲート
出典：極東開発工業
跳ね上げ式パワーゲートは、車両の後部扉に張り付くように格納できるタイプです。バンやウイングなどの、箱車と呼ばれるトラックに取り付けられていることが多いパワーゲートになります。
プラットホーム(荷台)が大きいね！たくさん載せられそう！
プラットホーム(荷台)の面積が大きくパワーがあるため、カゴ台車を使用するほどたくさんの荷物や、自動販売機などの大きな荷物の積み降ろしで使用されます。
ゲートとしての使用も可能で、平ボディのトラックの場合は「あおり」としての使用もできるんじゃよ。
へえ～すごい！一石二鳥でなんだかお得な気持ちになりますね！
床下格納式パワーゲート
出典：極東開発工業
床下格納式はプラットホーム(荷台)を、トラックの車両ボディの床下に格納できるタイプです。
へえ～！パワーゲートを使用しない場合でも、後部の扉を自由に開閉できるんですね！
そうなんじゃよ。集荷場に直接トラックの後方を付けて、スムーズに荷物の積み降ろし作業ができるんじゃ。
高床式の倉庫での作業に適していて、たくさんの荷物を効率よく運搬できる大型のトラックに取り付けられていることが多いパワーゲートです。
また冷凍食品などを運ぶ、冷凍冷蔵車にもよく使用されています。
もはやパワーゲートが物流業界を支えているといっても過言ではないのう。
パワーゲートにはどうやって荷物を載せるの？
パワーゲートのプラットホーム(荷台)に、たくさんの荷物を載せる際は、「カゴ台車」を使います。
カゴ台車には車輪がついているので、荷物が載せられたカゴ台車を押したり引いたりしながら、荷物の状態を確認して、プラットホーム(荷台)に載せます。
荷物を安定させるコツは、カゴ台車に載せる荷物の重心を低い位置にすることじゃよ。
転倒事故……気をつけます！
カゴ台車は、スーパーマーケットやコンビニなどのチェーンストアへの配送、宅配便や郵便の配送拠点での荷物運搬によく使用されています。
パワーゲートにカゴ台車を載せることで、一度に多くの荷物を効率的に積み込み、作業者の負担も軽減してくれます。
パワーゲートはどれくらいの重さを持ち上げられる？
製品やモデルによっても異なるのじゃが、一般的には最大約1トンまで積載可能じゃよ！
1トン？！……1トンってどれくらいの重さでしたっけ？
そうじゃのう……、ライオンが1頭(メス)で約100㎏じゃから、10頭分の重さじゃのう！
オスライオン10頭分？！そんなに重たい荷物も載せられるなんて……もしかして次はライオンの引っ越しでも頼まれるんじゃ……？
パワーゲートを安全・効率的に操作しよう！
パワーゲートが便利だってことはわかったけど、パワーゲートってどうやって操作するの？難しい？
ちなみにこれは極東開発のパワーゲートの基本的な操作方法になりますが、手順は以下のとおりです。
①トラックのエンジンをかけ、車内にあるメインスイッチを「ON」にする
②プラットホーム(荷台)を手で開ける
③ボタンやリモコンで操作してプラットホーム(荷台)を昇降させる
難しい操作はなく、シンプルでわかりやすいです。
昇降作業をする際は、特に安全を確認して作業するのじゃよ！
人はパワーゲートに乗ってはダメ！
僕もパワーゲートに乗って上がったり降りたりしたら楽だし、ミニエレベーターみたいでおもしろそう…！
ダメじゃダメじゃ……！昇降時には、ぜ～ったいにパワーゲートには乗ったらダメじゃよ！！
パワーゲート(テールゲートリフター)は、荷物の積み降ろしを効率的に行うための機械で、人を乗ることは想定されていません。人を乗せたまま昇降すると、転落や巻き込みといったリスクがあり、安全性が確保できないため、絶対にしてはいけません。
実際に、パワーゲートに関連する労働災害の約4割は、昇降板からの落下が原因となっており、そのうち約6割は不適切な取り扱いによるものです。死亡事故や重大なけがも多く、例えば200リットルのドラム缶が作業員の頭に落下する死亡事故や、指を2本切断する事故も発生しています。
そのため、2024年からはパワーゲート（テールゲートリフター）に関する特別教習が義務化されることになりました。
参考資料：【2020年度】陸上貨物運送業における荷役作業の安全対策に関する検討会報告書
ええっ！そんなに危ないんだ？！やっぱり安全第一だね……ルールはしっかり守らないと！
パワーゲートについてのまとめ
パワーゲートって便利ですね！重い荷物もスイスイ積み降ろしできるし、これならどんな作業もあっという間に終わりそうです！
ふむ、頑張るのは良いが、一人前になるにはまず、基本をしっかり学ぶことが大事じゃ。さあ、この米袋をパワーゲートを使って積み込んでみるんじゃ！
えっ！？米袋全部！？でも、パワーゲートがあるなら安心してできますね！
そうじゃ、焦らず正しく使えば大丈夫じゃよ。これができれば、立派な一人前の第一歩じゃ！
うおーーーーー！パワーゲートのパワーが僕にもみなぎってきました！！……って、あれ？これって僕が強くなったわけじゃないですよね？！
ふむ、君もパワーゲートのように頼れる存在になれるように、少しずつ学んでいけばいいんじゃよ。
今回は、パワーゲートについて詳しく紹介しました。
日本の物流を支える「縁の下の力持ち」ともいえるパワーゲート。人の力だけでは難しいことをパワーゲートという機械が支え、日本の経済をも支えています。
今後も時代の変化とともに、パワーゲートも進化していくことでしょう。
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