【徹底解説】自動車NOx・PM法とは?今さら聞けない基礎知識から対策まで一挙公開

今度仕事で、他県に行くんですが…
スマホで道路情報を確認していたらNOx・PM法対策地域って出てきたんです。
どうやらなにか規制があるみたいなんですが、大丈夫でしょうか?
新人ネコくん、NOx・ PM法について知りたいのかい?
はい。自分で調べようとしたんですが、難しくて…
よし!じゃあワシと一緒にNOx・PM法について勉強しよう!
今回のコラムでは「自動車NOx・PM法って何?」「自分の乗る車両は大丈夫?」と不安に感じているドライバーさんに向けて、NOx・PM法の内容から対策までわかりやすく解説していきます。
目次
自動車NOx・PM法とは?

「自動車NOx・PM法」は、じつは略称でな…正式名称は
「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」
…というんじゃ。
長〜い!覚えられません!っていうか今言いました!?
ワシもこのカンペがないと…。
この法律には対象となる地域があって、車両や排出量を規制しているんじゃ。
それに適合しない場合は…
しない場合は…?
自動車NOx・PM法で定められている排出基準を満たしていない車両は、
それぞれの車両に設けられている猶予期間(使用できる最終日)を過ぎると、対象地域内で車両の新規登録や移転登録ができなくなります。
ということは、猶予期間を過ぎると無車検で公道を走っていることになって、罰せられる可能性があるって事ですか!?
道路運行車両法により「6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金」に処せられる可能性があるんじゃ。
ヒェ〜!
自動車NOx・PM法はなぜ必要?

自動車NOx・PM法。難しい名前ですが、なんのための法律なんでしょう?
この法律は地球の未来と人々の健康を守るために必要な法律なんじゃ。
ガソリン、ディーゼル、LPG(プロパンガス)を燃料とする自動車はすべて、排気ガスを出して走ります。
その排気ガスの中には大気汚染の原因となり、人体に悪影響を及ぼす
窒素酸化物(NOx)
浮遊粒子状物質(PM)
が含まれています。
NOx・PM法は、窒素酸化物(NOx)と浮遊粒子状物質(PM)の総量を削減することを目的に、特定地域に限定して排出基準や車種規制を定めた法律です。
大気汚染の原因となるNOxとPM
NOxやPMが空気中に増えると、どうなるんですか?
NOx(窒素酸化物)

NOxは、酸性雨の原因物質の1つです。
雨に溶けて森林、沼や湖に降り注ぐことで生態系に悪影響を与えたり、建物の劣化を促したりします。
人間の体内に入ると、気管支炎や喘息など呼吸器疾患の原因となるんじゃ。小さい子どもや高齢者、呼吸器系の疾患を持つ方にとって注意が必要じゃな。
また、高濃度のNOxは、目を刺激し、炎症を引き起こすことがあります。
PM(粒子状物質)

PMは粒子が細かいので、肺の奥まで入り込みやすい特徴があります。
吸い込むことで咳や痰、呼吸困難や、肺がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった深刻な病気の原因となることもあります。
また、PMは、血管を収縮させ、血圧を上昇させる作用もあるんじゃ。
そのため、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患のリスクを高めることが知られています。
ワシも気をつけないとなぁ。
また、皮膚に付着すると、アレルギー疾患や皮膚炎などを悪化させる可能性も指摘されています。
NOxとPMが合体すると…

NOxとPMは、別の物質なんですよね。
そうじゃ。2つの物質が合わさって作用すると、単体より深刻な健康被害を引き起こす可能性があるようじゃ。
NOxやPMが大気中に増え続けると、身体や環境に良くないことばかりですね。
自動車NOx・PM法で対策が行われている理由がよくわかりました!
自動車NOx・PM法3つのチェックポイント

ところで、ぼくが次の仕事で行く地域はNOx・PM法対策地域のようですが、どんな対策や確認をすれば良いのでしょうか?
NOx・PM法には3つのチェックポイントがあるんじゃ。順番に見ていくぞ。
自動車NOx・PM法チェックポイント|対象地域
日本全国どこの地域でも自動車NOx・PM法の対象なんですか?
自動車NOx・PM法は、自動車交通が集中している場所、そして、大気汚染防止法だけでは対応が追いつかないと考えられる地域で施行されています。
県丸ごとというわけではなく、その県の1部の地域が対象なんじゃ。

出典:環境省・国土交通省 自動車NOx・PM法の車種規制について
自動車NOx・PM法は、特定の地域のみに出されている特殊な法律です。
地域によってルールが違う、ごみの分別のルールのようなものじゃな。
自動車NOx・PM法チェックポイント|対象車種

自動車NOx・PM法では、EV(電気自動車)・HV(ハイブリッド車)・軽自動車、ガソリン普通車は規制の対象外になります。
では、どんな車両が対象になるんでしょう。
《自動車NOx・PM法で規制対象の車両》
ディーゼル車
トラック
バス
このような車両総重量が重い車両が対象となるんじゃ。
《車両総重量が重い車》
一般的にエンジン排気量が大きく、燃料消費量も多い
↓ということは…
NOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)などの有害物質の排出量も増加
では、ディーゼル車はなぜ対象なのでしょうか。
《ディーゼル車》
軽油で走るディーゼル車はガソリン車より、燃費が良くてパワーがある
↓しかし…
ガソリン車に比べて、NOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)などの有害物質の排出量も増加する傾向に
NOx・PM法で指定される地域内でディーゼル車や排気量の多いトラックを使用している事業者は、長期的みるとこの法律の影響を受ける可能性はあります。ですが、現在の日本のトラック市場の特性を考慮すると急速な移行は難しそうです。
自動車NOx・ PM法チェックポイント|排出基準

自動車の排出基準とは
自動車の排出基準とは、自動車から排出される有害物質(主に窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM))の量を規制するものです。
新車として製造・販売される自動車は、法律で定められた排出基準に適合している必要があり、この基準をクリアし
なければメーカーから販売されません。
排出基準は車検でもチェック

実際に使用している車両は、車検の際に排出ガス中の有害物質が基準に適合しているかどうかが検査されます。
もし、基準に適合していなかったらどうなりますか?
車検に通らないから、公道を走行できないんじゃ。
あれ?でも新車の出荷前に排出基準をクリアして、車検もクリアとなると、ほとんどの車がNOx・PM法の基準範囲内じゃないんですか?
それがそうでもなくてな…NOx・PM法の排出基準は、より厳しい基準になっているようじゃ。
具体的にどのような車が規制対象となるのか、詳しくみてみましょう。
1. ディーゼル車
古いディーゼル車で対策地域に入ると、排ガス基準を満たしていないことがあり、走行が規制されることがあります。
2.改造車
エンジンや排気系統を改造した車両は、排出ガス基準を満たさないことがあります。
3. 年式の古い車
一般的に、製造年式の古い車両は、新しい車両に比べて排出ガス性能が低い場合があります。そのため、古い車はNOx・PM法の排出基準に適合しない可能性があります。
以下の表は、NOx・PM法で基準となる排出量を示した表じゃ。

出典:環境省・国土交通省 自動車NOx・PM法の車種規制について
へーぇ!じゃあ会社のトラックでも年式の古い車両を使うときは注意が必要ってことですね。
自動車NOx・PM法対策
うちの会社の車両は、社長が毎年、車両の年式や排出基準についてしっかりチェックしているぞ。
そうなんですか!じゃあ安心して乗って良いってことですね。
新人ネコくん、自分の目で確かめることも大切だからな。チェックするべきところを確認してみよう。
はい!お願いします。
車両の車検証の確認

自分が乗る車両がNOx・PM法に適合しているかを確認したいときは車検証を確認するんじゃ。
車検証のどこを見たらいいんですか?
2002(平成14)年8月1日以降に発行された車検証には、その車両がNOx・PM法に適合しているのか・いないのか。また、適合していない場合、いつまで猶予があるのかが、全て書いてあるぞ。

備考欄 記載例
《NOx・PM法に適合している場合》
「使用車種規制(NOx・PM)適合」
《NOx・PM法に不適合の場合》
「この自動車はNOx・PM対策地域内に使用の本拠を置くことができません」
「この自動車は平成○○年○○月○○日以降の有効満了日を超えて特定地域内に使用の本拠を置くことができません」
思っていたよりずっとわかりやすい!自分でも今度乗るトラックの車検証をチェックしてみますね!
もし規制対象だった場合は…

NOx・PM法に適合しない車両だった場合もすぐに乗れなくなるわけではなく、一定の猶予期間があります。
猶予期間の間に
・排気ガスのNOx・PM規制値をクリアするDPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)などの排気ガス浄化装置を取り付ける
・DPFに比べると小型でコストも抑えられる酸化触媒などをマフラースペースに装着する
といった対策を行うか、もしくはNOx・PM法に適合する車両への買い替えが必要になります。
環境対応車導入の際の助成制度

車両の買い替えや、装置の取り付けとなるとそこそこの費用もかかってきますね。
そのような事例も多くあることから、国や県、地域のトラック協会がNOx・PM法対策への助成を行なっているところもあるようじゃ。
【環境対応車導入促進助成】各都道府県のトラック協会は、トラック協会の会員向けに環境対応車導入を促進するため、助成金制度やインフラ整備などの支援策を実施しています。
参照:トラック協会
NOx・PM法を知りエコドライブを!

NOx・PM法を守ることは、環境に配慮することに繋がるんじゃ。
僕たちの行動ひとつひとつがクリーンな地球の未来につながるんですね。
自動車に乗らないで生活するというのはなかなか難しいからなぁ。少しでも地球にやさしい運転を心がけたいものじゃ。
NOx・PM法について、バッチリわかりました!車検証を確認して、エコドライブで次の仕事も行ってきます!
今回のコラムでは、NOx・PM法について解説しました。この法律は1993年12月に環境省が「自動車NOx法」を制定してから改正をくり返し、より良い未来の環境を目指して現在も続いている取り組みです。
所有している車両がNOx・PM法に適合しているかを確認するとともに、新しく車両を購入される際は適合状況を確認し、環境に配慮した車両をお選びください。
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